皮膚腫瘍

ひふしゅよう

皮膚腫瘍ついて

皮膚にできる腫瘍には、良性のものと悪性のものがあります。

表皮、真皮、皮膚付属器(毛や汗の腺・管)、皮下脂肪を構成するいずれかの細胞成分が増殖して塊になったものが腫瘍です。

良性腫瘍は細胞の増殖はありますが、細胞の形は正常のものと変わりなく、細胞の増殖にも限界があります。皮膚の組織に深く入り込む浸潤(しんじゅん)や、他の臓器に転移することはありません。

悪性腫瘍細胞の形が変化し、際限なく増殖して浸潤、転移するものです。

視診(見た目で判断)、触診(さわって判断)、ダーモスコピーという皮膚表面を特殊な拡大鏡で観察する診察を行い、総合的に良性か悪性かを判断します。

皮膚表面にできるものもあれば視診・触診・ダーモスコピーである程度判断できますが、皮下にできたものは肉では判断ができない腫瘍もあります。

皮下腫瘍については、必要に応じて超音波検査やCT検査のため総合病院へ紹介いたします。

上記の診察を行っても判断が困難な場合は皮膚生検を行います。

皮膚生検は、局所麻酔をして痛みを取った上で、3〜5mm程皮膚の検体を採取します。

採取した皮膚を染色した後に顕微鏡で観察する事で、どういった種類の細胞が増殖しているのか、腫瘍の構
造がどうなっているのか、悪性を示す細胞の所見がないかなどがわかります。

皮膚良性腫瘍

皮膚を構成する細胞のいずれかが増殖したものですが、皮膚の深くに入り込んだり、転移をすることがないものです。
特に問題となることはありませんので、通常はそのまま様子をみることになります。
皮膚を構成する細胞はたくさんあり、それに対応して皮膚良性腫瘍も無数にあります。

皮膚悪性腫瘍

皮膚の表面に際限なく広がったり、大きく盛り上がるもの、皮膚の深くまで浸潤、増殖して血流に乗り、他の臓器に転移する腫瘍です。

皮膚の表面に盛り上がると、表面がめくれて出血したり、浸潤すると潰瘍を形成します。

代表的な皮膚悪性腫瘍には、日光角化症(にっこうかくかしょう)、ボーエン病、基底細胞癌(きていさいぼうがん)、有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)、悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ:メラノーマ)、血管肉腫(けっかんにくしゅ)、乳房外パジェット病、皮膚リンパ腫、隆起性皮膚線維肉腫(りゅうきせいひふせんいにくしゅ)があります。
ボーエン病、有棘細胞癌、基底細胞癌は皮膚悪性腫瘍のなかでも比較的発症頻度が多い腫瘍です。




まずは、良性か悪性かを判断することが大切です。

悪性腫瘍の場合、転移がないか調べステージ(病期:病気がどの程度進んでいるか)を確定することで治療方針が決まります。

クリニックでできる検査は皮膚生検となります。

悪性腫瘍と診断した場合は、さらなる検査、治療が必要となるため総合病院もしくは大学病院へ紹介致します。

皮膚腫瘍の治療

良性腫瘍に関しては、基本的に様子をみます。
切除を希望される方は、近医形成外科、総合病院に紹介致します。

悪性腫瘍に関しては、ステージによって治療方針が変わります。

総合病院、大学病院にて精査(よりくわしい検査)を行い、ステージを確定した後に治療方針が決まります。

手術による根治的な切除が基本となりますが、転移があれば化学療法、放射線療法などその他の治療が選択されます。

その他の注意点

早期発見、早期治療が大切です。

気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。