乾癬

かんせん
鱗屑を伴う、境界明瞭な紅斑

尋常性乾癬について

皮膚(表皮)は通常、4週間ほどで入れ替わります。これをターンオーバーと呼びます。

尋常性乾癬の方は、特殊な皮膚炎を生じやすい体質があることがわかっています。

乾癬で炎症を生じている皮膚では皮膚の細胞が活発に増殖しており、通常4週間かかる皮膚のターンオーバーがわずか数日に短縮しています。

そのため、皮膚が赤く盛り上がり表面に白く厚い角質ができてはがれ落ちます。

原因は遺伝的素因生活習慣病などの因子が組み合わさって起きると考えられています。

全身のどこにでもできますが、擦れる場所(頭部、ひじ、ひざ、腰まわりなど)には炎症が起きやすいため皮膚症状ができやすいです。

約半数の方にかゆみがあります。

また、の根元に炎症が及ぶと爪が点状にへこんだり、厚くなったり、変形することもあります。

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良くなったり悪くなったりを繰り返す経過の長いご病気です。

皮膚症状から誤解されやすいご病気ですが、人にはうつることは決してありません。

乾癬をお持ちの方の中には、筋肉の腱が骨に付着する部に炎症が起きやすい方がおられます。
手足、指、踵、膝、腰、肩など、関節の痛みがある方は、乾癬性関節炎という病気をご病気を合併されている可能性があります。

関節の強い炎症や痛みが長く続く場合、関節が破壊され、変形、拘縮(固まってうごかなくなる状態)を生じる可能性があります。

関節症状(乾癬性関節炎)が出現した場合、炎症が強く生じる全身性の膿疱性乾癬を発症された場合は総合病院や大学病院で治療が必要となることがありますので、お早めにご相談ください。

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乾癬の発症要因

乾癬の種類

乾癬の治療

皮膚の状態に合わせて治療を行います。

乾癬の治療ピラミッド


ステロイド剤、ビタミンD3の塗り薬が基本となります。

皮膚症状が治りにくい方、皮膚症状が悪化されている方には紫外線療法内服療法(免疫抑制剤、PDE4阻害薬、ビタミンA製剤TYK阻害薬)生物学的製剤(バイオ製剤)と呼ばれる抗体の注射を行うこともあります。

かゆみには抗アレルギー剤を内服します。

当院では局所紫外線療法を行うことができます。
紫外線治療(局所光線療法)を週1、2回の照射から開始し、症状に合わせて照射回数、照射量を調整します。
痛みはありません。照射時は温かさを感じます。
乾癬の皮疹が治りにくい部位(頭皮、おしり、肘、膝の乾癬)、爪乾癬、かゆみの強い部位などに有効です。

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皮膚症状が広範囲に及んでいる、外用や内服治療で改善が得られない、関節症状がある、重症の乾癬症状がある場合は、生物学的製剤(注射薬)による治療の導入を検討します。

当院は日本皮膚科学会から乾癬生物学的製剤使用承認を得ております。


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その他の注意点

生活習慣

睡眠不足、ストレス、油物の過剰摂取、肥満、喫煙、外的な摩擦は尋常性乾癬を悪化させます。
健康的な生活習慣を心がけましょう。

【日常生活で気をつけること】