酒さ

しゅさ

酒さについて

酒皶(しゅさ)中年以降の女性に生じることの多い原因不明の慢性炎症性疾患です。
酒さの方は、外界からの刺激、細菌、微生物に対して自然免疫が活性化しやすい(皮膚炎を生じやすい)体質をお持ちであることが知られています。

酒さの症状として、顔の毛細血管拡張、赤ら顔、ほてり、ピリピリとした感じ長く続きます。

紫外線暴露、寒冷・温熱刺激、香辛料などの刺激物の摂取、飲酒、ストレスが悪化因子となります。

酒さと症状が似ていますが、長期間ステロイド外用をすることで生じる酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん:ステロイド酒さ)という皮膚のご病気もあります。
こちらはステロイドに対する副作用の一つと考えられています。

どちらも確立された治療は無く治療が難しい病気の一つです。

日本では、諸外国と比較して保険診療で行える治療法に制限があり、治療に難渋します。
レーザー治療や自由診療で使用可能な海外医薬品による治療薬が有効なこともあります。

酒さを悪化させる原因は患者さんよってさまざまです。
日常生活で悪化の原因となっているものはありませんか?

酒さが悪化する主な原因


酒さの症状

酒さは、成人において慢性的で一般的な病気であり、顔などの露出度の高い部分に症状が現れる病気です。この症状は、男性よりも女性、さらに若い患者よりも三十歳以上の方によくみられます。

主症状

下記の症状が、1つもしくはそれ以上ある場合、酒さを疑います。

・顔、首に一時的な赤みを繰り返す(ほてりや一過性紅斑)
・顔面の特定の部分の赤らみ、ほてりの症状が続く(持続性紅斑)
・丘疹や膿疱をくり返す
・毛細血管拡張(細い血管が目立つ)

副症状

主症状と合わせて以下の副症状が出現することがしばしばあります。 副症状が単独で発症することもあります。

 ・灼熱感やチクチクとした痛み
 ・乾燥肌(かさつき)
 ・浮腫(むくみ)
 ・眼の症状 まぶたの炎症など
 ・ドライアイ、羞明(光を過度にまぶしく感じる)、反復性麦粒腫(まぶたのしこり)
 ・顔の周り、頭皮や耳などにも主症状が現れる
 ・皮脂腺の過形成、腫大

酒さの分類

次のサブタイプに分類されます。

1型. 紅斑毛細血管拡張型
2型. 丘疹膿疱型
3型. 瘤腫型
4型. 眼型

紅斑毛細血管拡張型酒さ(1型)


1型酒さは、最もよくある酒さです。
繰り返すほてりや持続的な顔の紅斑が特徴です。2型の丘疹膿疱型酒さのようにニキビのようなプツプツとした吹き出物が同時に出ることがあります。拡張した毛細血管が見えることもよくあります。これらの症状が見られる患者は、敏感肌を持っている傾向にあります。
そのため紫外線や温度の変化、刺激のある化粧品、ちょっとした刺激でもチクチク・ヒリヒリ感などを感じやすいです。

丘疹膿疱型酒さ(2型)

丘疹膿疱型酒さは、持続的なほてりに加え、紅斑や繰り返す丘疹・膿疱が見られます。
かさつき、乾燥も伴ういます。
主に顔の中心(鼻周囲)に、かゆみや灼熱感を感じることがあります。
くも状血管腫(毛細血管拡張症)を引き起こし、紅斑のように見えることもあります。
このサブタイプは、一般的に中高年に発症し、男性より女性に多く見られます。
2型の症状として、1型の酒さでみられる顔の赤みやほてりと同時に生じることがあります。
2型酒さの丘疹や膿疱はニキビに似ていますが、ニキビとの違いは、酒さ場合はコメドと呼ばれる毛穴の詰まりがみられません。

瘤腫型酒さ(3型)

瘤腫型酒さは男性によくみられます。
この酒さは、鼻(鼻瘤)が特に有名ですが、その他、顎(顎腫瘤)、額(額腫瘤)、耳(耳腫瘤)そして眼瞼(眼瞼腫瘤)にも症状が出ることがあります。
鼻瘤は最もわかりやい典型的で、皮膚が厚くなったり、特に鼻周囲に小結節ができたり、凸凹の表面によって独特の肌質をしています。
鼻が凸凹し、膨んで変形していきます。
毛細血管拡張症も見られます。
以前、鼻瘤は多量飲酒によるものだと考えられていましたが、 現在ではその説は否定されています。アルコールを摂取しない人々にも同様に発症することがわかりました。

眼型酒さ(4型)

眼型酒さは、このサブタイプの中で最も珍しいタイプのものです。
眼やその周囲に症状が出ます。
4型酒さと診断される患者さんの多くは、皮膚症状も伴っています。
しかしながら、酒さ患者のうち2割の患者には、皮膚症状がないこともあります。
また皮膚の症状の前に、眼の兆候や症状が現れることもあります。
眼症状の重症度と顔面酒さの重症度は相関がないと考えられています。
眼のタイプの症状は、軽い炎症症状、異物感、乾燥、目のかすみといった軽症のものから重度の炎症、目の表面の損傷、炎症性角膜炎といったものにまで及びます。
酒さ患者は、目のゴロゴロした感覚を訴え、眼瞼炎及び結膜炎を発症します。
他の目の症状は、眼瞼縁及び結膜の毛細血管拡張、眼瞼の厚み、眼瞼の痂皮や隣接、眼瞼の皮脂腺の閉塞、細菌感染からなる霰粒腫、点状表層角膜症、角膜浸潤、角膜潰瘍、角膜の傷、血管新生など多様な臨床像を呈します。
しかしながら、酒さにおいて、視覚障害が現れることは稀です。

酒さには様々な症状がありますが、顔面の赤み、ほてりは最もよくある重要な初期の特徴です。特に1型や2型において診断に重要な特徴です。



酒さの治療

確立された治療は未だありません。

酒さの治療は、基本的に悪化因子と考えられている紫外線暴露、寒冷・温熱刺激、香辛料などの刺激物の摂取、飲酒などを可能な限り避ける必要があります。
日焼け止め、保湿などによるスキンケアが非常に重要です。

酒さが悪化する主な原因



酒さとは別に酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)というご病気もあります。
酒さ様皮膚炎はステロイドの長期外用により生じているため、ステロイドの外用を中止する必要があります。

保険診療

ロゼックスゲル®(メトロニダゾールゲル)


令和4年5月末より抗菌作用のあるメトロニダゾール外用剤(ロゼックスゲル®)が保険適応となりました。酒さを起こす原因の一つと言われているニキビダニを減らす効果があります。
1型の紅斑毛細血管拡張型、2型の丘疹膿疱型酒さに適応があります。
プツプツとした丘疹や膿疱に対しては12週間の外用で有効性が示されていますが、顔の赤みについては長期期間の治療を必要とします。

炎症を抑制する作用のある抗菌薬の内服、外用
ロキシスロマイシンなどのマクロライド系光彩剤、ドキシサイクリン、塩酸ミノサイクリンなどのテトラサイクリン系の抗生物質は炎症を抑える効果免疫を調整する作用を有しており、効果的であることがあります。しかしながら、耐性菌を出現させるリスクがあるため長期の使用は控えた方がよいでしょう。

ニキビにも有効なクリンダマイシンゲル、ナジフロキサシンクリーム(ローション)、オゼノキサシンローションなどの抗菌剤の塗り薬が効くことがあります。
イオウカンフルローションを塗ることもあります。


・抗真菌剤の外用
脂漏性湿疹にも有効な、ケトコナゾールなどの抗真菌剤の塗り薬が効くことがあります。


・漢方薬
桂枝茯苓丸や加味逍遥散の内服が酒さに効果的なことがあります。


・タクロリムス軟膏
アトピー性皮膚炎の治療に使用される免疫抑制剤であるタクロリムス軟膏が酒さに効果的なことがあります。

酒さについての注意点

日焼け止め、保湿などのスキンケアが非常に重要です。
保湿剤はヘパリン類似物質の使用は避けましょう。
血流がよくなり、赤みが増してしまいます。

洗顔時は擦らないようにしましょう。
擦ることで皮膚炎が悪化し、赤みが増してしまいます。

紫外線暴露、寒冷・温熱刺激、香辛料などの刺激物の摂取、飲酒などをできるだけ避けるましょう。
激しい運動は避け、ストレスケアを行いましょう。