帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹ワクチンについて
帯状疱疹の発症を予防できるワクチンは、弱毒生水痘ワクチンと帯状疱疹ワクチンの2種類があります。
いずれも50歳以上の方に適応があります。(シングリックスは18歳以上で免疫低下があり罹患リスクが高い方にも適応になります。)
効果、持続期間、接種回数、副反応の程度、費用のご負担に違いがありますので、よく検討いただいた上で選択いただく必要があります。
① 弱毒生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)
・投与方法・回数:皮下注射1回のみ
:帯状疱疹予防として、50歳以上の方や帯状疱疹に繰り返し罹患したことがある方に接種をお勧めしております。
② 不活化ワクチン (帯状疱疹ワクチン シングリックス®)
・投与方法・回数:筋肉注射2回(2回目は初回から2ヶ月後)
:生ワクチンを接種できない方、より確実な予防効果を期待される方、18歳以上で帯状疱疹の罹患リスクが高い方にはこちらの不活化ワクチンをお勧めしております。。
ワクチンの効果について
乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」
60歳以上を対象とした研究では、接種後3.12年間で帯状疱疹発症が51.3%減少、帯状疱疹後神経痛(PHN)発症が66.5%減少しました。
50〜59歳を対象とした別の研究では、帯状疱疹の発症予防効果は69.8%でした。
効果の持続期間を調べた研究においては、ワクチン接種後1年以内の帯状疱疹発症予防効果は68.7%でしたが、接種後8年目では4.2%まで低下していました。発症抑制効果が持続する期間は5年程度とされています。
シングリックス®:
臨床試験において、帯状疱疹の発症予防は50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%と高い有効性を認めました。帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症予防についても、50歳以上で100%、70歳以上で85.5%の減少率を認めました。
シングリックスの有効性ついては追跡調査が行われています。
2022年10月に、ワクチン接種後少なくとも10年間は予防効果が持続することが確認されました。
ワクチン接種料金
帯状疱疹ワクチンは自費接種となります。。
乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」
7,800円(税込)
不活化ワクチン シングリックス®
22,000円(税込) ✕ 2回
帯状疱疹ワクチン比較表
乾燥弱毒生水痘ワクチン 「ビケン」 | シングリックス® | |
ワクチンの種類 | 弱毒生ワクチン | 不活化ワクチン |
発生抑制効果 | 51.3% | 50歳以上 97.2% 70歳以上 89.8% |
帯状疱疹後神経痛 抑制効果 | 66.5% | 50歳以上 100% 70歳以上 85.5% |
接種方法/回数 | 皮下注射 1回のみ | 筋肉注射で2回 *初回 → 2ヶ月後以降に2回目 |
効果持続期間 | 5年程度 | 8年後も84%の有効性持続 10年間効果持続(2022年報告) |
接種できない方 | 免疫力低下のある方 | なし |
費用 (税込) | 7,800円 | 22,000円 ✕ 2回 (計44,000円) |
副反応 | 接種部位の痛み、腫脹、発赤 | 接種部位の痛み、腫脹、発赤、筋肉痛 倦怠感、発熱・寒気、頭痛、胃腸症状 ※ビケンより強く出やすい |
長所 | 費用負担が少ない 接種は1回のみ | 予防効果が高い 免疫が低下している方でも接種可能 |
短所 | 予防効果が劣る 予防効果が長期持続しない 免疫が低下している方は接種できない | 費用負担が大きい 接種回数が2回必要 副反応がでやすい |