デュピクセント®

デュピクセント治療について

当院ではアトピー性皮膚炎治療薬(皮下注射薬)であるデュピクセント®(デュピルマブ)の導入を行っております。
ステロイド剤の外用や内服治療で治りが悪い方、長期のステロイド剤外用により皮膚が薄くなりお困りの方は是非ご相談ください。
強いストレスや生活習慣の乱れにより皮膚症状が急に悪化し、外用治療で十分にコントロールができなくなった方にもおすすめの治療です。例えば、入試前に皮膚症状が悪化し、勉学に集中できなくなった学生さんなどはよい適応となります。

デュピクセントは標準治療で改善に乏しい中等症以上のアトピー性皮膚炎の方(生後6ヶ月以上)に適応のある抗体製剤です。
アトピー性皮膚炎を起こす重要なタンパク質のみをターゲットにした治療ですので、比較的安全性高い治療法です。

*デュピクセント導入は、詳細な病歴をお聞きし、皮膚症状をスコア化した上での判断となります。
*ご希望の際は必ず診察を受けていただき、診察後に導入の日程を相談させていただきます。

デュピクセント

・中等症以上のアトピー性皮膚炎のかゆみ、赤みでお悩みの方に治療適応があります。
・2023年9月25日から外用治療で効果が不十分、内服治療等が適さない中等症以上の生後6ヶ月以上の小児アトピー性皮膚炎にも適応が拡大されました。(お住まいの市によって子ども医療費助成制度の適用年齢が異なりますのでご注意ください。)
・デュピクセント®は、IL-4受容体をブロックする抗体製剤です。
・アトピー性皮膚炎において重要な役割を担うIL-4、IL-13の働きを抑制することで、皮膚炎や痒みを改善します。
 *IL-4,IL-13は炎症、痒み、バリア機能の低下を引き起こすタンパク質です。

治療目標

デュピクセントの合併症

*過敏症反応、結膜炎、注射部位の赤み・痛み、ヘルペス感染・寄生虫感染のリスク増加
*ふらつき感、息苦しさ、心拍数の上昇、めまい、嘔気、嘔吐、皮膚のかゆみや赤み、関節痛、発熱 など

デュピクセント導入の流れ

*初診時
・アトピー性皮膚炎の診断を行い、皮膚症状から重症度を確認します。
・デュピクセントはEASIスコア16点以上が適用となります。
・治療歴を確認します。
・治療適用がある場合、治療費等ご了承の上、投与開始日を決定します。
(初診時にデュピクセントの投与は行っておりません。)

自己注射の方は初回30分程の注射指導がありますので、初回は平日14時〜16時の予約診療の時間帯で予約いたします。

・2週間ごとに通院し、院内で注射を受けていただくことも可能です。院内注射をご希望の方は通常の保険診療時間帯(9:30-12:00もしくは16:00-18:00)で予約致します。
・院内注射の場合、毎月支払が発生しますので、医療費が月の上限まで達せず高額療養費制度はご活用いただけません。子ども医療費助成制度は適用となりますので、一時のみの注射を行う18歳以下の小児の方は院内注射での治療もご相談ください。
・院内での注射をご希望の方は、自己注射指導はありませんので通常の保険診療時間帯(9:30-12:00もしくは16:00-18:00)でご予約ください。

*2回目の受診時(投与開始日)
・デュピクセント®の投与を開始します。初回は2本投与します。
・自己注射の方は院内で30分程注射指導があります。
・デュピクセント®はペン型があります。ペン型は扱い方が簡便ですので、ペン型での使用をおすすめしております。
・院内注射の方は、医師もしくは看護師が注射を行います。

*3回目以降
・通常の診療時間帯でご予約ください。
・自己注射の方は、1度の受診で3ヶ月分(6本)を処方いたします。ご自宅にて自己注射を行ってください。2週間に一度、1回1本ずつ注射を継続します。
・院内注射の方は、2週間ごとに通院して注射を継続します。

費用のご負担

保険診療ではありますが、高額な治療になりますので予めご了承ください。
・デュピクセント®皮下注ペン300mgは1本58,775円ですので、3割負担の方で1ヶ月間に2本使用すると35,265円程のご負担 (3ヶ月分6本では105,795円のご負担)となります。(薬剤費のみ)
高額療養費制度が適用となる方は、ぜひご活用ください。
・子ども医療費助成制度も適用となります。
・公務員の方や特定の企業の方は、福利厚生として付加給付金制度をご利用いただける場合があります。お勤め先にてご確認ください

高額療養費制度をご活用ください。
保険診療は、年収に応じて一月あたりの医療費の上限が決まっています。
*注射薬は3ヶ月分処方致しますので、3ヶ月に1度の月上限金額のお支払いが必要となります。
年収が多い方は高額療養費制度の上限を超えず、適応にならないことがあります。ご了承ください。

” 高額療養費制度ついての説明はこちら “

*高額療養費制度は世帯合算も可能です。
同じ医療保険に加入している場合、同一世帯の家族が同じ月に支払った自己負担限度額を合算して申請できる制度です。

” 高額療養費シミュレーション(サノフィサイト)”

【付加給付金制度について】
*公務員の方や特定の企業の方は、福利厚生として付加給付金制度をご利用いただける場合があります。
付加給付金制度をご利用いただける方は、より少ない医療費負担でデュピクセント等のお薬を使用できます。
付加給付金制度がご利用可能かについてはお勤め先にてご確認ください。

【子ども医療費助成制度について】
デュピクセントは子ども医療費助成制度をご利用いただけます。
お住まいの市によって適用となる年齢が異なりますのでご注意ください。

投与量と投与スケジュール

通院での投与、もしくは自己注射が可能です。
小児(生後6ヶ月以上から18歳未満)の自己注射の場合、保護者への注射指導を行います。
小児は体重に応じて投与量やスケジュールが異なります。

” デュピクセント投与の仕方はこちら “

薬剤費の目安


その他の注意点

・喘息、アレルギー性鼻炎などをお持ちの方は、症状が軽快しても現在治療中のお薬は中止しないでください。主治医にデュピクセント使用の旨を伝え、ご相談ください。

・皮膚症状が十分に改善するまでの間は、お薬の外用を継続して下さい。

・スキンケアを継続し、香辛料、お酒の取り過ぎには注意してください。

・睡眠時間を十分に確保してください。体を休め、ストレスを溜め込まないようにしましょう。