イソトレチノイン

ニキビ、酒さの治療薬

イソトレチノインとは

イソトレチノイン(当院はアクネトレントを使用しています。)はビタミンA誘導体の内服薬です。
イソトレチノインは治療効果が非常に高く、6ヶ月間内服することでニキビを大きく改善できます。
ニキビ発症の主要な原因である皮脂の過剰分泌や角化の異常を抑えることでニキビを改善し、新しいニキビができにくくなります。
また、ニキビ症状が落ち着いた後もニキビの再発抑制効果がある飲み薬です。
イソトレチノインの内服治療は有効性が高く、90%以上の方に改善がみられます。
日本では保険適用外のお薬ですので自費診療となります。
また、ニキビほどではありませんが、皮脂抑制作用により酒さ(赤ら顔)に対する治療効果もあります。

他の治療で2ヶ月ほど治療しても改善がみられない中等症から重症のニキビや繰り返し毛穴の奥深くが腫れて治りにくいニキビがある場合にイソトレチノインでの治療を検討します。

このような方の治療に用います

・中等症から重症ニキビがある
・ニキビ治療を2ヶ月以上行っているがどんどん悪化している
・思春期からくり返し症状が続いている
・フェイスライン、あごの大人ニキビが治らない
・保険治療のお薬にアレルギーがあり使えない
・硬いしこりのあるニキビができやすい
・酒さ(赤ら顔)がある
・痛みのある施術が苦手

イソトレチノインの用法用量

一般的にはイソトレチノイン20mg錠を1日1回から開始します。
体重が60kg以上の方は1日30〜40mgから開始することもあります。

1日20mgの内服で効果がみられることが多いですが、治りが悪い場合や早めの改善を希望される場合には1日30〜40mgに増量します。

ニキビ治療:1日20mgを6ヶ月間〜8ヶ月間内服します。
酒さ治療:最初の2ヶ月間を1日20mg、その後は2日に1回20mgの内服を6ヶ月間ほど継続します。

イソトレチノインの内服によって生じる乾燥症状が強い場合、20mgカプセルを2日に1回の内服に減量することもあります。
イソトレチノインは脂溶性で食後に内服すると吸収がよくなりますので食後に内服することをおすすめしております。

イソトレチノインの内服期間

イソトレチノイン内服によりニキビが落ち着くまでにかかる期間は平均6ヶ月ほどですが、個人差も大きく4〜12ヶ月程度と幅があります。
当院では最低でも6ヶ月(〜8ヶ月間)内服を続けることをおすすめしております。
効果がでにくい場合や重症ニキビで症状が落ち着きにくい方も、約1年程度の内服を続ければ改善することも多いです。

イソトレチノインで起こり得る合併症

起こり得る合併症に注意しながら内服していただく必要があります。
多くの方に唇や肌の乾燥が生じます.。
女性の場合、内服中と内服終了1ヶ月後までは必ず避妊し、妊娠を避けてください。
合併症が軽度のものであれば内服を継続することもありますが、つらい症状が続く場合は内服を中止していただきます。

・皮膚の乾燥(特に唇の荒れ、肌のかさつき)
・眼症状 (ドライアイ、眼瞼炎、結膜炎、視力障害)
・鼻出血 (鼻粘膜の乾燥)
・催奇形性(内服中、女性は必ず避妊する必要があります)
・肝酵素や脂質数値の上昇
・関節痛・筋肉痛・骨痛
・光線過敏
・うつ症状(*イソトレチノインとの因果関係は不明)
・消化器症状(吐き気、下痢、嘔吐)
・息切れ、胸の圧迫感、過度の発汗
・高容量で用いた際に伸長の伸びが止まる可能性があります

イソトレチノインの価格について

アクネトレント10mgは1カプセル400円、20mgは1カプセル600円となります。
通常20mgを1日1回内服します。
(*体重によっては30〜40mgの内服をおすすめする場合があります。)
アクネトレント20mgを1日1カプセルで30日間内服すると18,000円になります。
1日40mgで内服する場合はアクネトレント20mgを1日2錠内服しますのでの倍のご負担になります。

イソトレチノイン
(アクネトレント)
施術料金
(税込み)
10mg 1カプセル
30日分
400円
12,000円
20mg 1カプセル
30日分
600円
18,000円
*用量は体重、症状によって調整します。
採血料2,500円

ニキビについて

人の皮膚は乾燥や外部刺激から身を守るため皮脂によって保護膜を作ってます。
皮脂は肌の健康維持に必要な存在なのです。
皮脂は皮脂腺で作られ、毛穴から排出されます。

毛と皮脂腺

しかし、何らかの原因で肌バリア機能がうまく働かなくなったり、炎症が生じて毛穴が詰まってしまうと、皮膚の中に皮脂や角質などの汚れが溜まります。
そこにニキビ菌(アクネ菌)が繁殖してしまい、ニキビ菌と戦うために免疫細胞が集まることで、強い炎症を起こして赤く腫れます。

毛穴が詰まり、アクネ菌が繁殖することで腫れます。


炎症によって周囲の組織が破壊されるため、ニキビの炎症が治まった後に瘢痕(ニキビ跡)が残ってしまいます。炎症によってメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が活性化することでシミ(炎症後の色素沈着)が長く残ったり、炎症にともない細い血管が増えたり拡張することで赤みが長い間残ってしまいます。また、皮膚の深い部位(真皮や皮下脂肪)に炎症が続くと、炎症によって周囲の組織が破壊されることで瘢痕(へこみ)が残ってしまいます。
にきび痕としてのこる赤みへこみは見た目の印象に強く影響するため、精神的にもストレスが多くQOL(生活の質)を著しく低下させます。

血管増生による赤みと皮膚のへこみが残った場合、保険治療では治療が難しいため自費診療を行う必要があります。治療に必要な時間も費用面での負担も大きくなってしまいますので、ニキビ跡を残さないためには、早めに赤く腫れ上がったニキビを治療する必要があるのです。

採血の必要性について

イソトレチノインの内服にともない肝機能異常や高脂血症が生じることがあるため、内服開始時と治療から一ヶ月後に採血を必ず行います。その後は2ヶ月ごとの採血をおすすめしております。
(*直近3ヶ月以内に採血され、採血データに異常がない場合には内服開始時の採血を行わないことがあります。)
イソトレチノインの内服量を増量した場合も、増量から1ヶ月後に適宜採血を行います。
採血データに異常が生じた場合はイソトレチノインの減量、内服中止などを行います。

内服終了後に再度ニキビが出てきた場合

イソトレチノイン内服治療後は長期的にニキビが落ち着くことが多いですが、再発することもあります。
再発の際も症状は軽度なことが多いですので、その際はニキビの塗り薬で対応します。
それでもニキビが悪化する場合には、2回目のイソトレチノイン内服を行うことがあります。

イソトレチノインと飲み合わせの悪い薬

頭痛の副作用が出やすくなるためビブラマイシン、ミノマイシンといったテトラサイクリン系の抗生剤とは同時に内服できません。
そのほかの抗菌薬、鎮痛薬、アレルギー薬、経口避妊薬(ピル)との併用は問題ありません。

イソトレチノイン内服中に他の美容施術を受ける場合

脱毛、Vビーム、シミ取りなど各種レーザー、IPL光治療、ポテンツァ、ダーマペン、ピーリング、ほくろ除去などの小手術はいずれもイソトレチノイン内服中でも施術可能です。
しかしながら、イソトレチノイン内服中は皮脂の分泌が抑制され、皮膚は敏感な状態にあるためスキンケアを十分に行う必要があります。
イソトレチノイン内服中に開腹手術や美容外科での大きな手術は避けてください。

イソトレチノインが使えない方

  • ・妊娠の可能性がある方、妊娠中の方
  • ・授乳中の方
  • ・12歳未満の方
  • ・肝疾患がある方、肝臓の数値が高い方
    ・脂質異常(コレステロール、中性脂肪が高値)がある方
    ・うつ病の方
    ・伸長の伸びが止まる可能性があることを懸念される方

内服時の注意点

・1日1回1カプセルを食後に内服
  (*必ず食後に内服してください。)
・飲み忘れた場合は、次の日にその日の分量のみ内服してください
 (*過剰摂取しないように注意してください)
・ニキビの再発抑制効果を得るためには最低でも6か月間内服いただくことをおすすめしております。
・イソトレチノインの開始には事前の血液検査が必要になります。
・内服開始後も定期的に採血が必要です
 (*採血料は1回2,500円となります)。
・女性は月経開始を2、3日確認してから、本剤内服を開始してください。
・女性は内服中ならびに内服終了後最低でも1ヶ月間は避妊してください。
・内服中、内服終了後2ヶ月間は献血をしないでください。
・内服中は日光過敏となる可能性があるため、日焼け止めを使用し、長時間紫外線にあたらないように注意してください。

お薬の剤型・注意点

ソフトゼラチンカプセルです。
夏場は溶けやすいため、冷蔵庫での保管も可能です。
25℃以上で変形する場合がありますが、品質には問題ありません。

治療の流れ

01


・美容予約 “イソトレチノイン治療” からご予約ください。
・web問診への記入をお願い致します。

02

・医師の診察
当日はお肌の状況をお写真で記録させていただきます。
治療適応があるかどうか診察いたします。
副作用や採血の必要性についてに説明致します。

03

初回採血をおこないます。
(*直近3ヶ月以内にどこかで採血され、肝酵素(AST、ALT、γ-GTP)の上昇や脂質異常(LDL、コレステロール)が認められない場合は初回採血は行いません。その場合、必ず採血データをご持参ください。)

04

採血結果を確認し、再受診時にイソトレチノインの内服を開始します。
通常1日20mgの内服から開始しますが、体重によっては1日30-40mgとなる場合もあります。