脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎ついて
脂漏性皮膚炎とは、頭皮や顔面の皮脂の多い部位に生じる湿疹です。
思春期以後、皮脂をつくる皮脂腺が増え、特に30歳、40歳台にさしかかると頭皮のフケが多くなったり、鼻周りや耳、わきなどにかゆみをともなう赤みががでる方がおられます。
好発部位は頭皮、髪の毛の生え際、眉間・眉毛、鼻の周囲、耳の中や後ろ側、首回り、胸部、背中、脇、足の付け根などです。
脂漏性皮膚炎の原因は未だ明らかとなっていませんが、遺伝的要因、環境的要因、精神的ストレスなどさまざまな要因が関与していると考えられています。
皮膚炎が生じると赤みとかゆみを生じ、皮膚が荒れてかさつき、細かく剥がれ落ちることもあります。
皮脂の分泌が多い部位、化粧品や薬品の油分が多く付着する部位に皮膚常在真菌(カビ菌)であるマラセチア菌が増殖し、皮膚炎を生じることで悪化します。
マラセチアは皮脂腺から分泌される皮脂を栄養源としているため、皮脂の量が多い部分でマラセチアも増殖しやすいです。
脂漏性皮膚炎の治療
皮膚炎をやわらげるためステロイドを塗ります。
脂漏性湿疹は顔面や腋、股など皮膚が薄い部分に生じやすいため、副作用の少ないステロイドを外用することが多いです。
頭皮の脂漏性皮膚炎は治療が難しいことも多いです。
ステロイドシャンプー剤であるコムクロシャンプーを使用すると、上手に皮膚症状をコントロールすることができます。
お風呂に入る前、髪の毛が乾いた状態で頭皮に外用し、15分待った後に洗い流します。
15分待っている間にお薬の効果が発揮されます。
皮膚常在真菌であるマラセチア菌の増殖を抑制するためケトコナゾールという抗真菌薬を外用することもあります。
皮脂を減少させる効果が期待されるビタミンB2やB6を内服する場合もあります。
不規則な生活習慣、脂質や糖質に偏った食生活、刺激のある食べ物(アルコール、香辛料、コーヒーなど)、タバコ、ストレスによって悪化しやすいので、生活習慣を見直す必要があります。
脂漏性皮膚炎のその他の注意点
生活習慣
入浴不足や洗顔不足による皮脂の貯留やストレス、睡眠不足、偏った食生活が悪化因子となります。
洗顔、スキンケアを心がけましょう。
市販のシャンプー、石けん
市販の抗真菌剤含有シャンプーや石けんが効果的なことがあります。
(持田製薬コラージュふるふるシリーズ)
繰り返すことが多いご病気ですので、根気強く治療しましょう。