蕁麻疹

じんましん
蕁麻疹の臨床写真1
蕁麻疹の臨床写真2

蕁麻疹について

蕁麻疹の皮膚症状

蚊に刺されたような痒みを持ったぷくっとした皮膚症状やいびつで地図状のように見える少し盛りあがりのある赤みが出現し、皮疹は数時間から1日の間にいったん消えますが、出たり引いたりを繰り返す病気です。
強い痒みをともなうことが多く、全身に広がるとかゆみで眠れなくなります。



血管性浮腫

まぶたや唇が急に腫れる血管性浮腫(けっかんせいふしゅ)もじんましんの一種です。

蕁麻疹の発症要因ついて

じんましんは、特発性(:原因がはっきりわからないもの)じんましんと発症要因がはっきりと特定できるじんましんに分類されます。

じんましんの7〜8割は原因がわからない特発性のものです。
検査をおこなっても異常な所見はみられません。

じんましんに影響を与える要因として、物理刺激(こする、圧迫するなど)、汗、食べ物、お薬、疲労、ストレス、感染症、基礎疾患があります。


アナフィラキシーショックの皮膚症状としてじんましんを生じる場合やじんましんの症状は軽度でも呼吸苦がある場合は命にかかわる状況になりますので、救急対応のできる病院に受診していただく必要があります。

特発性の慢性蕁麻疹は、原因が特定できず、症状が現れる時期も予測できないことから、QOL(生活の質)への影響が大きい疾患です。また、数年の間長期に続くことも多いです。
慢性蕁麻疹は、症状の有無に関係なく長期にわたって薬を飲み続けることが重要です。
QOLを低下させないよううまくコントロールし、症状が落ちついた状態で少しずつ薬を中止できるよう調整します。

蕁麻疹の治療

原因がわからないじんましんは抗ヒスタミン薬が効果的です。

症状に合わせて通常の倍量のお薬を内服したり、抗ヒスタミン剤以外の抗アレルギー剤その他のお薬を内服することもあります。

また、全身に皮膚症状を強く生じており、かゆみで眠れないなど日常生活に大きな影響がある場合はステロイド剤の内服を行うこともあります。

治療経過は患者さまによってさまざまです。

数日〜4週間の間に皮膚症状が落ち着く急性じんましんの方もいれば、内服をしていれば皮膚症状が落ち着くが、内服をやめると皮膚症状が出現する状態が長く続く慢性じんましんとなってしまう方もおられます。

内服治療を続けていても日常生活に支障をきたすような皮膚症状が持続する特発性慢性蕁麻疹(特定の原因がなく、発症から6週間以上経過したもの)には皮下注射薬ゾレア®(抗IgE抗体) デュピクセント®(抗IL-4受容体抗体)適応となります。


蕁麻疹のその他の注意点

生活習慣

  • 睡眠不足、ストレス、喫煙、外的な摩擦刺激はじんましんを悪化させます。
    健康的な生活習慣を心がけましょう。

アナフィラキシーの原因検査について

クリニックでアナフィラキシーの原因検査を行うことは困難です。
アレルギー専門医のいる、検査にともなうアナフィラキシー症状に緊急対応可能な病院での検査が必要となります。
必要と判断した場合は、対応可能な総合病院、大学病院にご紹介致します。