水虫・白癬
みずむし・はくせん
水虫、白癬について
水虫は真菌(カビ)の一種である白癬菌(はくせんきん)による皮膚の感染症です。
カビの一種ですので、高温多湿な環境で繁殖しやすいです。
白癬菌は皮膚を構成しているケラチンというタンパク質を好みます。
ケラチンは皮膚の垢や爪に豊富にふくまれています。
頭、股、手、爪など皮膚であればどこにでも感染しますが、一番多いのは足水虫です。
皮膚がめくれてきたり、水ぶくれができたり、かゆくなるものが多いですが、かゆみが少なく、かさつくタイプのものもあります。
水虫でみられる皮膚症状は、湿疹など他の皮膚疾患でも同様にみられることがあります。
水虫と考え、他のご病気に対して誤って市販の水虫の薬を使ってしまうと、かぶれを生じてしまうこともありますので、医療機関で白癬菌がいるかどうか顕微鏡の検査を行い、確実に診断してから治療を始めることが大切です。
水虫を放置すると、水虫によってできた傷から細菌が侵入し、皮膚の感染症である蜂窩織炎(ほうかしきえん)を生じることがあるので注意が必要です。
水虫は、治療後見た目には治ったように見えても何度も繰り返すことのある病気です。
適切なケアや生活環境の改善が必要となります。
糖尿病や免疫の低下を引き起こす基礎疾患をお持ちの方、免疫を抑制する治療薬を飲まれている方は白癬菌に感染しやすい状況にありますので、特に注意が必要です。
水虫、白癬の治療
抗真菌薬(カビに対する抗生剤)の塗り薬を外用します。
皮膚表面に付着した白癬菌は、2〜4週間の外用治療を行っていただくことで改善します。
爪水虫など白癬菌が爪下の深い部位にある場合は、外用剤が届きにくく治りにくいことが多いため、抗真菌薬の内服治療を行い、体の内側からお薬を効かせる必要があります。
抗真菌薬を内服する場合、定期的な血液検査が必要となります。
水虫、白癬のその他の注意点
生活習慣
- 1日中靴を履いてお仕事をされいる方、足に汗をかきやすい方は注意が必要です。
- 1日1回石けんで足を洗いましょう。
- 足が蒸れやすく、足の間が白くふやけている方は5本指の靴下をはくことで蒸れが軽減します。
- バスマットを共有すると、ご家族の方にうつす可能性があります。
バスマットの共有はやめましょう。 - 銭湯、温泉、サウナなどは水虫をもらいやすい施設です。
ご利用された後は、お部屋や家のシャワーで足を洗うことをお勧めしております。
糖尿病の方は水虫にかかりやすく、ちょっとした傷から蜂窩織炎も生じやすい状況にあります。
血流障害もあり、重症化して足が壊疽(えそ)する可能性もありますのでフットケアを心がけていただく必要があります。
爪白癬に対する抗真菌薬内服療法
- 抗真菌薬を1日1回、3ヶ月間内服します。
- 肝臓に負担がかかる方がおられますので、月1回の血液検査を行います。
- 血液検査で肝臓の数値の上昇を認めた方は内服中止となります。
内服をやめると肝臓の数値は自然に改善します。