円形脱毛症
円形脱毛症について
生き物には外から侵入してきた細菌やウイルスなどと戦う免疫という仕組みがあります。
通常であれば外的と戦う仕組みである免疫が、自分の毛包をターゲットとして攻撃してしまう体質の方がいらっしゃいます。
未だ、原因については明らかにされていませんが、ストレス、感染症、お薬などをきっかけに免疫のバランスが崩れ、自分自身の細胞を攻撃し始めてしまいます。
円形脱毛症の方は、免疫細胞(リンパ球)が自分自身の毛をつくる細胞を攻撃してしまい、毛包周囲に炎症を起こします。
炎症によって毛をつくる細胞が弱り、毛が抜けてしまいます。
円形脱毛症に関する検査
円形脱毛症は自己免疫疾患であるため、他のご病気を合併されていることがあります。
また、アトピー素因(アトピー性皮膚炎、アレルギ-性鼻炎、アレルギー性結膜炎)をお持ちの方は、円形脱毛症の発症リスクが高まります。
円形脱毛症を発症された方は、他の合併症の可能性がないか、他の脱毛の原因がないかなど確認するために血液検査を行うことをおすすめしております。(3割負担の方で4,500円ほどのご負担となります。)
円形脱毛症の治療
自分の毛髪細胞を攻撃しているリンパ球による炎症を食い止めるためにステロイド剤の外用や皮下注射、紫外線治療を行います。
また、血流を促進することで育毛を促す薬の外用したり、抗アレルギー剤やビタミン剤を内服することもあります。
病気の勢いが強く、脱毛部位が多発する場合、頭部全体の毛が抜けたり、眉毛や体毛が抜けて脱毛が体全体に広がる場合があります。
その場合、入院してステロイドの点滴治療が必要となることがありますので、その場合、適切に治療適応を判断し、総合病院や大学病院に紹介致します。
【局所紫外線療法】
当院では最新の局所光線治療器を取り扱っております。
光線療法 エキシマライト セラビーム UV 308 mini LED
局所紫外線療法は円形脱毛症にも保険適応があります。
脱毛部位に照射することで、炎症を抑制し、発毛を促す効果が得られます。
照射時に痛みはありません。
局所紫外線両方は保険診療になります。
光線療法の保険点数は340点です。
照射する面積に関わらず一律です。
光線療法1回あたりの実際のご負担
・3割負担の方 1,020円

円形脱毛症の注意点
生活習慣
ストレスは円形脱毛症の発症要因、増悪要因となります。
健康的な生活習慣を心がけましょう。
治療の経過について
円形脱毛症は治療開始後もすぐに改善するわけではありません。
毛が生え、脱毛斑が目立たなくなるのに通常半年ほどかかります。
脱毛症に対して不安やストレスを感じられ方も多いのですが、焦らず根気よく治療する必要があります。
合併症について
その他、円形脱毛症を発症された方の中には他の病気を合併されている方もおられます。
円形脱毛症と合併しやすい甲状腺の病気や他の自己免疫疾患がないか、円形脱毛症以外の脱毛の原因として、消耗性の疾患、梅毒など感染症にともなう脱毛、体にとって重要な微量元素(亜鉛、鉄など)の欠乏による脱毛などがないか血液検査でスクリーニングすることをお勧めすることもあります。